桜えび・しらすの産地である駿河湾は深海約2500mと日本で一番深い湾です。
急に深くなり、海底地形が非常に複雑。海水は大井川・安倍川・富士川からの栄養分が大量に流れ込み、綺麗でありながら栄養分が豊富。生産性の高い湾です。
そのような理由から、駿河湾には日本の魚の約4割にあたる1500種もの魚が生息しています。

「桜えび」
桜えびは日本国内の水揚げ量の100%が駿河湾産です。
日中は水深200m〜300mの海底付近に生息、夜になると水深20m〜50m程にまで浮上してきます。
何故夜になると浮上してくるのか・・・諸説あるようですが、桜えびがここ駿河湾で生き残るために進化した行動と考えられています。そして日中は分散して行動し、夜間は群れで行動します。
桜えび漁はこの群れで行動している夜間に漁が行われるのです。
桜えび漁は、共同操業で行われており、漁業者全員が一体となって、出漁日や日毎の漁獲量を定めるなど、資源管理に力を入れた漁業となっています。
漁獲された桜えびは大井川漁港と由比漁港に水揚げされます。
桜えびの寿命は1年。夏に150mくらいの海中に1500〜2000粒の卵を生みます。1月頃には4cmくらいに成長しその年の夏に卵を生んで一生を終えます。
桜えびは、殻や内臓をまるごと食べるので多くの栄養素を摂取する事が出来ます。





「しらす」
駿河湾のしらすは主に湾外(主に遠州灘)で生まれて駿河湾にやって来ます。
昼間は水深20m〜50m付近に生息し群れで行動しながらエサを食べます。そして夜になると、海の表面まで浮上し少し顔を出し浮袋になるよう体に空気を入れ浮いています。夜間は群れではなく分散して海面を漂っています。明け方になるとガスを放出して水深20m〜50m付近に戻ります。
しらす漁は群れで行動している朝に行われるのです。





「桜えび」と「しらす」は同じ駿河湾の中で全く逆の行動をして生息しているのです。

 
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